♪(ハイーハイ)はぁ あべや(ハイ)はぁ この馬(ハイ)
急げや唐毛
〈からげ〉(ハイーハイ)
はぁ 西の(ハイ)はぁ お山に(ハイ)
ありゃ陽が暮れる(ハイーハイ)
♪辛いものだよ 馬喰
〈ばくろう〉の夜道
七日七夜の ありゃ長手綱
♪一人寂しや 馬喰の夜道
後に轡
〈くつわ〉の ありゃ音ばかり
♪さらば行くよと 手綱を曳けば
馬も嘶く
〈いななく〉 ありゃ鈴も鳴る
♪峠三里の 山坂道を
青馬
〈あお〉よ辛かろ ありゃ重たかろ
***** 私見 *****
馬に関する唄には、「馬子」「馬方」「馬喰(博労)」「馬」「駒曳き」「馬追い」とありますが・・・まぁ、「馬」は馬そのものを歌っていると思います。代表は「十勝馬唄」ですね。
馬子と馬方と馬喰、ついでに駒曳きは馬を連れた仕事に関する人たちの仕事唄になるようです。
では、それぞれ何がどう違うのか?
簡単に言うと、馬を使って荷物を運ぶ人(馬喰、馬方)と馬そのものを商品として運ぶ人(馬子、駒曳き)とに分けられるようです。馬方や馬子を辞書で引くと同じような捕らえ方をされていますが、昔は確実に違う職業として分類されていたと思われます。(船方と舟方の意味が違うのと同じですね。船は海で、舟は川だと教わりました)
この唄では「馬喰」と出てきますので、個人的な意見ではありますが、馬喰節が元かと思います。秋田は「馬子唄」も「馬喰節」も「馬方節」もあります。どれがどの職業の本当の作業唄だったのか・・・?今ではかなりごちゃ混ぜになってしまっている気がします。
十勝馬唄は別として、馬子唄や馬方節などは作業唄でもあり道中歌でもあります。馬で山(峠)を越える時刻は夜間が主だったようです。これは、通行の邪魔をしないこと、音などに敏感な馬をなるべく驚かせないようにするためだったそうです。
で、寂しさを紛らわすためや馬を落ち着かせるため、また夜盗などに自分たちは旅の者ではない事を知らせるために唄っていたのだろうと思います。
この唄の代名詞である「あべや」は秋田の方言で「さぁ、行こうか」という意味だそうです。「さぁ、日が暮れるから出発しようか。」といった感じです。
唄うときは、夜道を想像するより夕暮れ時、逢う魔が時のような、真っ暗ではない時をイメージしたいなぁ、と思っています。真っ暗は怖いですから・・・だって、昔は今みたいに街頭もないですしね。まぁ、黄昏時もある意味怖いですけど(笑)
posted by 晃両 at 13:11| 埼玉 ☁|
秋田
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